矯正は何歳から始めるべきか?

2016年8月9日

大学生のころ、授業で指導医から写真と模型を渡され「この患者さんはいつから矯正治療を始めるべき?」と質問されたことがありました。
「医学的には前歯が抜けかわったこの時期が適当だと思いますが、患者さんのやる気やご両親の希望を聞きながら判断してきます。」私は自身満々に答ました。
すると指導医はこういいました。「それは違う。君はプロの歯科医師である以上、医学的に今が矯正治療を始めるタイミングであるとだけ患者に説明するべきだ!」思ってもいなかったことを頭ごなしに言われたため、指導医に強く反抗したことを憶えています。
あれから20年近く経ち、歯科医師にもそれぞれいろんな考えがあることを知りました。だから、今ならあの指導医の意見も聞き流すことができるかもしれません。勿論、私の見解はあの時と変わらぬままです。

矯正治療を始めるタイミングは非常に難しい。特に小児矯正については、質問する歯科医師によって得られる回答は様々です。答えをだすために考慮すべき要素があまりに多岐にわたるため、模範解答などないのかもしれません。
「問題が歯にあるのか、顎の成長にあるのか?」「どのような歯並びなのか?」などの医学的な要素はもちろん、患者さんのモチベーション、食生活、金銭的、時間的問題など、それぞれの生活スタイルを総合的に考慮する必要があります。

例えば、歯並びの悪い10歳の男の子がいたとします。お母さんはすぐにでも矯正を始めたい。医学的にもちょうどいいタイミングです。しかし問題は、当の本人が矯正治療に全く興味がないこと。確かに小4の男子はサッカーとゲームで忙しいから、歯並びどころじゃないのかもしれません。
私はこんなケースでは矯正をすすめません。本人が前向きでないと、取り外しのできる矯正矯正器具はすぐに使わなくなってしまうし、歯ブラシも不十分になるからです。結果、長期間かけて歯並びを治しても、装置を外す頃には虫歯だらけになっていることも珍しくありません。

あくまで医学的な見解を大雑把にいうと
・受け口(反対咬合) 6歳〜
・出っ歯(過蓋咬合) 8歳〜
・歯並びのガタガタ 10歳〜
くらいが目安です。ただこれも永久歯の本数、顎の成長状況などによって大きくかわります。

結局のところ、実際のお口の状況をみながら歯科医師と相談してもらうのがベストです。当医院では、矯正相談は無料ですし、相談だけして実際に治療はしない方も沢山います。お気軽にご相談下さい。

写真は小児期によく用いられる矯正装置です。取り外しが簡単にできるので歯ブラシはしやすいですが、お子さんが勝手に外してしまうと効果がでないことがあります。

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