かぶせものを入れる準備

2021年9月19日

この写真は何のシーンかわかりますか?

これはかぶせものを作成するために前歯を削っているところをデジタルマイクロスコープで拡大して写した写真です。
歯を削る際にはご覧の通りダイアモンドの粒子が付いたバーを使用して削っていきます。

虫歯治療というと、虫歯を削り、型をとってかぶせものを入れるイメージがあるかと思います。しかし虫歯の部分だけを削っただけでは歯の表面が歪でガタガタしており、その状態で型取りしても出来上がったかぶせものがピタッと入らなくなってしまいます。適合の悪いかぶせものを入れると隙間や段差から細菌が入り、せっかく治療をしてもかぶせものの中でまた虫歯になってしまいます。適合のいいかぶせものを作るためには土台となる歯の表面を滑らかな曲線に仕上げて型を取る必要があります。


またかぶせものの素材が金属であろうとセラミックであろうと、かぶせものの厚さが薄くなってしまうと破折や変形の原因となってしまいます。ですので長期的に使用できるかぶせものを作るためには、最終的に入るかぶせものの厚みから逆算して歯を削っていきます。できるだけご自身の歯を削りたくないという気持ちは当然ですが、長持ちさせるためには虫歯でない部分も少し削って形を整える必要があります。
もちろん必要以上に歯を削ることはありませんのでご安心ください。