歯科技工士という仕事

2010年4月12日

北上尾歯科の2階には歯科技工所があり、患者さまのお口に装着するつめものやかぶせものを3人の歯科技工士がつくっています。

歯科技工士という仕事は、平均労働時間がおそらく全職種のなかでもトップクラスにはいるほどきつい仕事です。週休1日で、毎日朝9時から夜12時(たまに徹夜)くらいまで働いている技工士がほとんどです。(当医院2階の技工士はもっとやすんでいますが)

先日、歯科業界でも名の知れたトップレベルのある技工士さんとお話をしました。「今日で連続勤務30日だよ!そのうち半分は職場に泊っている(笑)」
そう、決して修行期間の歯科技工士だけが長時間働くわけではないのです。50歳過ぎても普通に徹夜で仕事をしている方も多いのです。

こういった状況のため、歯科技工士の免許をとってもその多くが歯科業界から離れ、まったく違う仕事をしているのが現状です。また、歯科技工士を目指す人も減り学校自体が閉鎖されています。
おそらく今後日本の歯科技工士は激減し、最近話題となっている中国製のさし歯、入れ歯が多くでまわるようになる可能性があります。
確かに、中国などの大規模な歯科技工所で大量生産されたものは極端に安いです。

しかし、体の一部として機能する歯ですから、誰がどういった環境でどんな機器を使って作ったかが、はっきりしないようなものを使うことは、私は考えられません。
品質不明の薬を処方する内科医はいないでしょう。

歯医者を選ぶときに、どの歯科技工士が歯をつくっているか、なんて考えるような時代がくるかもしれません。