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口腔内スキャナーが保険診療でも使用できるようになりました

2026年5月7日

保険制度というのは、毎年少しずつ改正されています。
社会情勢の変化や医療技術の進歩に合わせて、「今の時代に合った医療」に変わっていく必要があるからです。
今回の改正の中で、歯科において大きな変化の一つだと感じているのが、「口腔内スキャナー」が一部の保険診療でも使用できるようになる点です。
口腔内スキャナーというのは、小型のカメラで歯の形を撮影し、そのデータをもとに詰め物やかぶせ物を作製する機械です。
従来は、粘土のような材料をお口の中に入れて歯型を取る方法が一般的でした。もちろん、この方法自体が悪いわけではなく、長年使われてきた実績のある方法です。
ただ、実際の診療では、この型取りが本当に苦手な患者さんは少なくありません。
特に、喉の奥に物が入ると気持ち悪くなってしまう方や、嘔吐反射が強い方にとっては、型取りそのものが大きなストレスになります。
実際に、「型取りが嫌で歯医者から足が遠のいていた」という患者さんもいらっしゃいました。
私は7年ほど前から口腔内スキャナーを臨床で活用していますが、初めて使った時に感じたのは、「これは今後確実に広がっていく技術だな」ということでした。
今まで型取りで苦労していた患者さんが、スムーズに治療を受けられるようになったり、「思ったより全然楽でした」と言ってくださったり、患者さん側の負担がかなり減ったと感じています。
もちろん、歯科医師側にとってもメリットがあります。
従来の型取りでは、材料の変形や気泡などによって再度取り直しになることもありましたが、スキャナーではその場で確認しながら精度を高めることができます。
また、データ管理がしやすく、技工所との連携もスムーズになるため、長期的には診療全体の効率化にもつながります。
一方で、口腔内スキャナーは非常に高額な医療機器です。
導入費用だけでなく、維持費やシステム更新費用などもかかるため、簡単に導入できるものではありません。
そのため、現時点ではまだ導入していない歯科医院も少なくないと思います。
ただ、私は長期的に考えた時に、この技術は歯科医師側にとっても、患者さん側にとっても、大きなメリットがあると考えています。
「より快適に」「より精度高く」「より効率的に」治療を進めていくためには、今後必要になってくる設備の一つだと思っています。
これまでは、保険診療では口腔内スキャナーを使用できるケースが限られていたため、自由診療中心での活用となっていました。
しかし今回の改正によって、CAD/CAM冠など一部の保険診療でもスキャナーでの型取りが可能になります。
当院ではすでに2台の口腔内スキャナーを導入していましたが、今回の改正に合わせてさらに2台追加し、現在は合計4台体制にしています。
まだ過渡期ではありますが、おそらく今後10年、20年の中で、歯科の型取りは大きく変わっていくと思います。
昔は当たり前だった粘土のような型取りが、少しずつデジタルに置き換わっていく。
そういう時代の変化を、診療の現場でも強く感じています。

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