歯磨き粉は必要?
2014年8月18日
子供の頃、スイミングスクールに通っていました。これが、嫌で嫌で仕方なかったんです。そもそも泳ぎが得意じゃなくて行ってたのに、先生がめちゃくちゃこわくて、溺れるまで泳がされたんです。今じゃ、考えられないですよね。
でも、嫌々ながらなんとか続けられたのは、スイミングスクール後はご褒美に必ずアイスを食べさせてもらえたからです。
スイミングスクールに行くことの本来の目的は「水泳が上達すること」しかし、幼い私にとって水泳が上手くなりたいモチベーションより、アイスが食べられることの方がはるかに重要だったんです。こういうのを「代替報酬」というらしいです。
さて、歯磨き粉の話です。歯磨き粉の効果は、虫歯予防、歯周病予防、清掃効果の向上などいろいろありますが、一方で「歯磨き粉は使っても使わなくてもどちらでもいい」という報告も多々あります。「歯磨き粉で泡立つと磨いている所がわからなくなる」「歯磨き粉の研磨材成分が歯を傷つける」などの理由から歯磨き粉の使用を勧めない歯科医師もいます。
それでも私は歯磨き粉の使用を強くすすめます。それは歯磨き粉は歯ブラシの大きな代替報酬になるからです。
もし歯磨き粉が存在しなければ、歯ブラシは今ほど習慣化していなかったでしょう。歯ブラシの目的は歯の健康を維持することが本質ですが、実際は歯磨き粉をつけて口の中をスッキリさせたいために歯ブラシをすることも多いはずです。
カレーを食べた後、コーヒーを飲んだ後、チョコレートクッキーで口の中が粉まみれの時、歯磨き粉のミント味で口の中をスッキリさせたくて歯ブラシをしていませんか?
もし、歯磨き粉がものすごく苦くて、後味が悪いものだったら多くの人が歯ブラシをしなくなると思います。
ちなみに写真は子供用歯磨き粉。こんなに沢山の味があったら、歯ブラシが楽しみになりますね!
最後に歯みがき粉の成分に対する私個人の見解をまとめます。(全て文献を調べたうえで書いています。)
⚫︎虫歯予防 フッ素配合の歯磨き粉を継続して使用することは一定の効果があります
⚫︎歯周病予防 歯周病に効果があると宣伝される歯磨き粉はたくさんありますが、どれも大きな効果はないと思います。日本歯周病学会の見解でも「どの歯磨き粉もかわりない」とのこと。
⚫︎ホワイトニング 日本国内で販売されているものについてはほぼ効果はないと思われます。
⚫︎知覚過敏 研磨材の入っていない歯磨き粉やシュミテクトのように硝酸カリウム、フッ素の入った薬用歯磨き粉は有効です。