口臭の原因

2016年10月8日

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突然ですが、「臭い」と「香り」の違いって説明できますか?
ニュアンスの違いはなんとなくわかりますが、しっかりと言語化するのは案外難しいかもしれません。

調べてみると、「臭い(におい)」は“くさい”とも読むように不快なものを対象にしますが、香りは好ましいもの対象に使う言葉だそうです。
確かに「あの人の香り」と「あの人の臭い」では意味が180度違います。
さて今回のブログは「口の臭い」についてです。

「口がくさいのは胃が悪いせいだ!」と考える方は多いかもしれません。もちろんそれも間違いではありませんが、実は口臭の9割が口に原因があるようです。

口は気道(空気の通り道)と食道(食べ物の通り道)につながっています。普段は呼吸によって酸素を取り込むために気道が開いており、食道の入り口はしまっています。何か食べ物をごくっと飲み込もうとした時だけ、食道の扉が開くんですね。
つまり食道や胃から臭いが発生しても、普段はその扉が閉まっていますから、臭いは外にでてこないんです。

では口のどこが口臭の原因になっているのでしょう?
最大の原因は舌です。舌の表面は凹凸がありザラザラしてますが、その溝に細菌が付着したものを舌苔といいます。舌の表面を定期的に掃除していないと、この舌苔が溜まって口臭の原因となります。
次に多いのが歯周病。歯周病による口臭は独特な臭いがあるので、歯科医師ならすぐにわかります。歯周病は歯と歯肉の間には歯周ポケットと呼ばれるすき間があり、そこに潜む汚れや細菌が臭いを発します。
具体的には「メチルメルカプタン」や「硫化硫黄」といった物質が臭いの原因なんですが、「腐った玉ねぎ」とか「腐った卵」などと表現されます。うーん、嗅いだことないけど相当臭そうですね〜。

どちらにしても口臭の原因は口の中に潜む細菌です。ですので、口臭予防は口の中を清潔に保つことが最も効果的です。
日々の歯ブラシを丁寧に行い、歯医者さんで定期的なクリーニングを受けることで、多くの口臭はなくすことができます。

写真は下の前歯の裏側に歯石がはりついた様子です。このような状態が続くと歯周病特有の匂いが発生します。