骨の薄い部位へのインプラント

2009年4月22日

上の奥歯の付近には、鼻の穴からつながる上顎洞といわれる空洞があります。(写真オレンジ線で囲まれた部分)
そのため、上の奥歯にインプラントをいれようとすると骨が薄く、通常の方法ではインプラント手術ができないことがよくあります。

写真は今月の最初のオペです。
以前骨が薄いためインプラントは無理といわれあきらめていたそうです。
上顎洞が近く通常のオペでは対応できないため、上顎洞挙上というテクニックを併用しています。今回は患者さんご自身の骨を一部上顎洞に移植して、2~3ミリ程度上顎洞を押し上げて骨の厚みを確保しています。

インプラント手術は最近システムや器具の進歩により難易度の低い手術になってきました。そのため、インプラントを行う歯科医師も増えてきています。
しかし、骨の厚みや量が足りないケースでは、多くのテクニックが必要とされるため、一定のトレーニングと経験のある術者でないと手術は難しくなります。
また、通常の手術と思われていた症例でも、手術をしてみると骨に問題があり骨移植を必要とすることもあります。

全ての方に安心して手術を受けていただくために、日々勉強です。