マルチプレイヤーを目指して

2011年9月11日

先日、夏休みを利用して歯科矯正のセミナーを受講してきました。一日中、模型と”にらめっこ”しながら矯正のことだけを考える濃密な4日間でした。
一般的に、口腔外科や矯正治療というのは一般歯科とは別領域で専門医が治療することが多いです。
当医院も基本的には、大学病院の矯正専門医である小海先生が矯正治療を行っております。しかし、インプラントやブリッジを入れる前にかみ合わせを補正するような症例、部分矯正などは私自ら行っております.
矯正の専門医やインプラント専門医はたくさんいますが、骨造成をともなうインプラントから矯正治療まで行う歯科医師はかなり稀だと思います。私も大学卒業後はインプラントを勉強する機会に恵まれ、インプラントについてはそれなりの知識と多くの症例数を経験することができましたが、矯正についてはほぼ知識がゼロの状態でした。
そんななかでインプラントを必要とする患者さんの多くが歯並び、かみ合わせに問題を有していることを実感しました。歯並びが悪いため歯周病が進行し、歯を失う。歯をなくしたスペースに歯が動いてしまい、歯並びが悪くなる。かみ合わせと歯の喪失は非常に密接な関係があるのです。
ですから、インプラントを行う私が矯正治療を学ぶことは、自ら矯正治療を手がけるということだけでなく、治療の選択肢として矯正治療を考えたり、矯正
専門医に的確な指示をおくるという点でも非常に有益なのです。
残念なのは研修の間、毎日ギンギンに晴れていたことです。海とプール、キンキンに冷えたビールよりも有益な研修だったと思い込んでいます(涙)

写真はセミナーで使った歯の模型です。この模型はロウでできているので、矯正装置をつけてからお湯で温めると歯が少しずつ動きます。おもちゃみたいですね。