デジタル歯科 「セレック」

2014年7月22日

『3Dプリンターで拳銃を製造!』というちょっと怖いニュースをみかけました。

3Dプリンターというのは、コンピューターで設計したものを、機械で簡単に削り出して作ってしまう技術です。以前は大型装置や金型などの高額な設備が必要でしたが、今ではこの3Dプリンターだけでいろんなものが簡単にできてしまいます。

実はこの技術、歯科でも応用されているんです。「デジタル歯科」とか「セレック」とか言われているものがこれにあたります。

一般的な差し歯やつめものは、患者さんの歯型から模型を作り、それを使って歯科技工士が手作業で作り上げます。(詳しくは当HP豆知識参照ください)完全に職人作業によるオーダーメードです。その分時間も手間もかかりますし、それだけの技術をもった歯科技工士を確保する必要もあります。
ところがこの「セレック」とよばれるマシーンを使うとあら不思議?あっという間に機械が歯を作ってくれます。まるでドラえもんの世界です。

北上尾歯科の二階には歯科技工所があり、最新のセレックが完備されています。
「じゃあ、北上尾歯科のつめものは全部、機械製?」と思われるかもしれませんが、現在はセレックでつくられているものは全体の1%程度です。ほとんどのつめものや被せ物は歯科技工士の手作業でつくられています。

デジタル歯科は、生産効率やコストにおけるメリットは大きいのですが、今のところ品質面で合格点のだせる症例は限られています。
今後、機械がより進化していけばその適用範囲は広がると思われますが、歯科技工士が消えることはありません。工業製品ではなく、オーダーメイドの歯科治療。やはり最後は職人による細かな調整が必要とされるます。

※写真はコンピューターで歯の型をデザインしているところです。デザインは歯科医師と歯科技工士が話し合いながら決めていきます。このパソコンの右側にある機械で歯の形を削りだしていきます。