歯の破折って?

2018年11月22日

世界のホームラン王と呼ばれた王貞治さんは、スイングで歯を食いしばるため歯がボロボロになったといわれています。あまり知られていませんが、かみあわせの力が原因で歯の破折がおきることは珍しくありません。歯の破折は、現代人が歯を失う原因として歯周病、むし歯に続く第三位になっています。歯はとても硬いので想像がつきにくいのですが、噛む力が繰り返しかかることで亀裂が入り、さらに進行すると割れてしまうのです。仮に表面的な破折であれば治療できるのですが、根元から折れてしまうと抜くしかありません。
ではどんな人に歯の破折が起きやすいのでしょうか?これは木製の椅子をイメージするとわかりやすいかもしれません。椅子の壊れやすさは使用年数、座る人の体重、椅子の脚の本数によって変わると思います。これを歯に置き換えてみると、年齢、噛む力、歯の本数と考えられます。つまり、中高年の方で硬い食べ物が好きな方は歯の破折リスクは高いのです。また硬いものは噛まなくても、歯を何本か喪失したままでいると残っている歯への力の負担が増加して破折しやすくなります。歯の破折は歯ブラシをしっかりしていても防ぐことはできません。極端に硬いものをかむことは控え、歯を喪失した部分にインプラントをいれたり、矯正によってかみ合わせを治すことで、お口全体で噛めるような環境を整えることが重要だと思います。