AIとマウスピース矯正
2026年1月15日
あけましておめでとうございます。今回は新年の特集として、近年特に注目を集めている「マウスピース矯正」についてお話しします。
近年、AI(人工知能)の進歩は目を見張るものがあり、ChatGPTなどのツールを日常生活や仕事の中で活用している方も増えてきました。このようなAI技術の発展は医療分野にも大きな影響を与えており、歯科医療の現場でもデジタル技術とAIを活用した治療が急速に進化しています。
特に矯正治療の分野では、これまでの常識が大きく変わりつつあります。
従来の矯正治療といえば、歯一本一本にブラケットと呼ばれる装置を装着し、ワイヤーを調整しながら少しずつ歯を動かしていく方法が主流でした。この方法は現在でも非常に有効ですが、見た目や装置の違和感が気になるという声も少なくありませんでした。
そのような中で普及してきたのが、AI技術を活用した「マウスピース矯正」です。マウスピース矯正では、口腔内スキャナーを用いてお口の中を精密にデジタルデータ化し、そのデータを基にAIが治療のシミュレーションを行います。歯がどの順番で、どの程度動くのかを事前に設計し、その計画に沿って複数枚のマウスピースを段階的に交換していくことで歯並びを整えていきます。
取り外しが可能で、装置が目立ちにくいという点から、仕事や学校、日常生活への影響が少ない治療方法として、マウスピース矯正を希望される方は年々増加しています。
しかし一方で、マウスピース矯正は万能な治療法ではありません。歯を抜いて大きく歯を動かす必要があるケースや、噛み合わせを精密に調整しなければならない症例では、マウスピース矯正のみでは十分な治療効果が得られないこともあります。
実際に、前歯の見た目は整ったものの、奥歯の噛み合わせが崩れてしまい「食事がしづらくなった」と相談に来られる患者様もいらっしゃいます。
矯正治療において最も重要なのは、見た目だけでなく「しっかり噛めること」です。そのため、歯科医師にはワイヤー矯正・マウスピース矯正の両方の知識と技術を踏まえた上で、患者様一人ひとりに最適な治療方法を見極める診断力が求められます。
AIの進歩により矯正治療はより身近で快適なものになっていますが、最終的な判断と責任を担うのは人間である歯科医師です。AI技術と専門家の経験・知識を組み合わせることで、安全性と満足度の高い矯正治療が実現できると私たちは考えています。
歯並びや噛み合わせで気になることがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。