小児歯科の考え方
2008年6月3日
歯医者がこわくてイスにもすわれない、そんな子が虫歯になってしまいました。どうやって治療をしましょう?
1、押さえつけて無理やり治療する
2、歯ブラシなどからなれさせながら、治療する
3、できなければ、虫歯治療はしない
どの選択肢も実際ありうる話で、各歯科医院、ドクターの考え方でかわってきます。
北上尾歯科では2の方針をとっています。もちろんどうしても痛かったり、腫れていたりの場合では1の場合もありますが、98パーセントくらいは2で進めます。
この方針だと、早い子は1〜2回くらいでできるようになりますが、場合によっては10回以上通っても出来ない、ということもあります。
どうしてもできない場合も5%くらいあります。
その時は3か月くらいあけてから、また治療を再開します。
これはお母様方にとっては、何度も治療にいかなくてはならず、非常に時間のかかる治療法です。しかし、無理やり治療をしたところで、治療の質は非常に低いので、つめたものがすぐにはずれたり、また虫歯になったりしてしまいます。
その結果、せっかく治療しても、半年後くらいにまた再治療が必要になることも多いのが実際です。
また、無理やり治療をしてしまうとトラウマになるというのは、本当によくある話です。
大学病院では全身麻酔のもとで、小児歯科をおこなうときもありますが、全身麻酔はリスクが高く安易にすすめられるものではありません。
どんな治療方針が正解なのかが、はっきりと決まっているわけではない問題なので、非常に難しいですが、もし私自分の子供が虫歯になったら、間違いなく2の方針で治療をしていくでしょう。
写真は私の姪のレントゲン写真です。歯の下にみえる小さい歯のようなものが、永久歯の卵です。この卵がしっかりとした歯になると、乳歯は抜けていきます。