埼北よみうりに寄稿させていただいた記事をご紹介します
2025年1月27日
新年明けましておめでとうございます。
年々、1年が早く感じます。去年は暖冬もあり、本格的な冬の上着を出してきた頃にはもう年末に近づいていました。四季の境目が曖昧になってきましたが、体調に気をつけ本年も元気に過ごしたいですね。
さて皆さん、お正月は美味しいものを食べてますか?
おせちやすき焼きなど、ご家庭により年末年始のご馳走はさまざまかと思いますが、日本の冬の風物詩であり、お正月に欠かせないのがお餅です。
とても美味しいお餅ですが、その粘度ゆえ、年始の診療では「お餅を食べてつめもの(かぶせもの)が取れた」と来院される方が多くいらっしゃいます。
つめものやかぶせものが取れてしまうのも困りますが、それよりも恐ろしいのはお餅が喉に詰まることです。
年齢を重ねると、身体のさまざまな機能が衰えることがありますが、摂食・嚥下(食べることと飲み込むこと)に関しても例外ではありません。加齢に伴って、お口や喉の筋力が低下し、嚥下に必要な動きがスムーズに行えなくなることが多くあります。具体的には、食物をうまく咀嚼したり、舌や喉の筋肉を使って食物を食道に送り込んだりする力が衰えます。また、唾液の分泌量が減少することも、食べ物を飲み込みにくくさせる一因となります。さらに、老化に伴って食道や気道の反応も鈍くなり、誤嚥(食物が誤って気道に入ること)が起こりやすくなります。
誤嚥が頻繁に起こると、誤嚥性肺炎などの深刻な健康問題を引き起こすことがあります。誤嚥性肺炎は、食物や飲み物が肺に入ってしまい、それが細菌感染を引き起こすことによって生じます。これが原因で、入院や長期的な健康障害を引き起こすケースも多いため、高齢者にとっては特に注意が必要です。
食べることはQOL(生活の質)に大きく関係しています。お餅に限ったことではありませんが、摂食・嚥下の力が低下している方は小さく切って食べるなど、食べ方を工夫し、美味しく安全に食事を楽しみたいですね。
入れ歯で思うように噛めず悩んでいる方にはインプラントという選択肢もあります。お気軽にご相談にお越しください。