インプラントでのトラブルを考える

2012年2月12日

インプラント後に『神経麻痺がおきて口唇のしびれがつづく』『歯肉に膿みがたまる』『入れたインプラントがすぐとれた』などの問題が起きている、といった話題を最近よく新聞やテレビで見かけます。患者さんからも『インプラントって大丈夫なの?』とご質問をいただくことも多くなりました。
私は現在、年間150本程度のインプラント手術を行い、通算でも1000本を超える経験がありますが、神経麻痺や重大な感染などの問題は一度もありません。だからといって自分が特別に上手だといいたい訳ではありません。私が所属するインプラント研究会でも多くの会員がいますが、そのような重大な問題をおこした歯科医師は一人もいません。つまり、ほとんどの歯科医師は安全なインプラント手術を行っているにもかかわらず、ごく一部の不勉強な歯科医師によるミスがマスコミに取り上げられているのです。
歯科医師の技術や知識レベルを患者さんが判断することは難しい側面がありますが、少なくとも以下のような歯科医院でインプラント手術を受けることはさけるべきだと考えます。

①やたらとインプラントをすすめる(インプラント以外の選択肢を提示されたか?)
②カウンセリング後すぐに手術をすすめようとする(じっくり考えて、心配なら他医院でも相談してから決めてください!くらいの先生がのぞましい)
③インプラント専門といって他の歯科治療はおこなわない(インプラントを成功させるためにはお口全体の管理が必要)
④CTをとらない(CT不要の症例ももちろんありますが、基本的には必要です)

まだまだ書きたいところですが•••

写真は6年前にインプラント手術をした患者さんです。先日メンテナンスで来院された際に被せ物をはずし、歯肉の状態をチェックしました。特別に歯ブラシが上手な患者さんではありませんが、非常に健康な状態を維持しています。これが『普通のインプラント』です。