前歯のすきま

2012年5月8日

みなさんの前歯が写真のようだったら気になりますか??
所謂『すきっ歯です。』でも色も形も悪くない、もちろん虫歯もありません。

多くの歯科医師は『治療の必要なし』と考えますが、患者さんは気にしていることが多いです。では、もし治療する場合はどのような方法があるでしょうか?たくさん考えられますが、基本は次の3パターンです。
①矯正治療で歯を動かして隙間をうめる ②歯を削ってかぶせものをいれることで隙間をうめる ③白いつめものを歯と歯のあいだにつめて隙間をうめる                                        
治療期間は③>②>① 治療費用は①>②>③ 仕上がりのきれいさは②>①>③ 長持ちするのは①>②>③
『どれが一番いいですか?』よくきかれますが、その答えは患者さんの価値観、生活スタイルなどによってかわります。例えばこれが私の歯なら②を選ぶと思います。私にとっては時間、費用よりも、きれいで長持ちする前歯にすることが重要だと考えるからです。しかし、この選択はあくまで私にとってのベストチョイスであり、他人に適用できるものではありません。

一般的な治療というのは、マイナスの状態をゼロに近づけることを目標とします。風邪を引いた(マイナス)→なおす(ゼロ)、虫歯で穴があいた(マイナス)→うめる(ゼロ)

ところが今回のような問題は、ゼロをプラスにもっていく治療となります。では目標となるプラスはどこにあるのでしょうか?+10点、+20点、+100点、それぞれの患者さんで目指すところはかわります。
歯科医師というのは職人的な側面があるため、目標は+100点に決まってるでしょ!とばかりに自分の考えるベストチョイスでどんどん治療をすすめる先生もいます。それはそれで素晴らしいことです。でも私は患者さんの求める点数に応じて、歯科医師が柔軟に対応していくことのほうが大事だと考えます。